税務調査時における自宅での対応

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税務調査官が被相続人のご自宅に訪れた際、屋内の通帳印鑑や手帳等の記録を確認します。
これは調査の一環ですが、昔は具体的な目的がありました。

例えばカレンダーがどこの証券会社か、どこの銀行のマッチがあるといったことで、その金融機関と取引しているはずだがその取引先が財産目録に載っていないと漏らしているのではないか?と疑ったり、香典帳を見せるように言われるケースは、取引している銀行や証券会社は必ずお葬式に来るという慣習があったようで、そのような場合には香典帳を見ながら主な取引先の銀行の支店や証券会社の支店を確認する目的があったりしたそうです。

現在は税務調査で上記のようなことはありませんが、そのようなことを書かれている書物を読んだことがあります。

自宅での税務調査時に、税務調査官が相続人の奥様に対して、「あなたの通帳とご印鑑があったら見せてくれませんか」と尋ねます。
二階のタンスの引き出しなどにしまっている方は一般的に多かったので、それで二階に上がろうとすると、税務調査官は「保管場所を見せてくれませんか」と聞いてきます。
嫌とも言えないので、二階のタンスのある部屋に行き通帳と印鑑を出そうとすると、今度は「その引き出しの中を全部見せてください」と言ってきます。
税務調査官は品物を一切触れないで相続人の奥様に全部出してもらいます。
そうすると、大体奥様の通帳のある所には子供の通帳が何冊か入っていたり、輪ゴムで結ばれた認印の4~5本が出てきたりするケースがあります。
そういった所から子供の名義を借用した通帳などを探したりするのです。

「この通帳はどなたの通帳ですか?」あるいは「この通帳はあなたの名義ではないですよね、他人名義になっていますよ」と言われ、よくよく調べてみますと、へそくり預金だとか、或いは隠し通帳だとか、名義を借りた子供の通帳はそのままお母さんが預かっていたことが見つかるケースがあったので、そのような調査は現在でも行っていると思います。

自宅での税務調査に、女性の調査官が同伴するケースがあります。
例えば、相続人が女性の場合は、タンスのなかに女性の下着が入っていることがあるため、そのような事情から女性調査官が必要とされます。
その場合は女性調査官が同伴の上、午前中に必ずお二人で来られます。

最近は税務職員の中でも女性の調査官は多くなってきましたが、それでも相続税を調査する資産税課には2割くらいいればいい方かと思います。
10人いれば1人か2人しかいないのですが、未亡人のお宅には、何があるか分かりませんので少なくとも半日くらいは付き合わせて、それで支障がなければ午前中で1人の方は帰ってしまいます。
午前中2人、午後1人というケースは何度かあります。