小規模宅地等の特例の要件が、頻繁に変わっている!?

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小規模宅地等の特例の要件は、実は頻繁に変わっています。

平成30年に改正されたのは、「家なき子」といって、実家の1人住まいの親が亡くなり、同居ではない持ち家を持っていない子どもが相続した場合には、8割減額の特例が使えるというものです。

息子さんがもう既に家を持っている場合には、建物の名義を自分の子どもに先行して贈与しておけば、その息子さんは自分の家を持っていない「家なき子」になります。

法律では自分か配偶者の所有している建物に住んでいなかった場合「家なき子」となっています。
それを第三者や同族会社の名義に変更することにより、自分と自分の配偶者の名義の住まいに住んでいないという状況を作り出すことができます。
そうすることにより8割の減額を使おうという節税スキームがあったため、国税局が3親等以内の親族の住まいに住んでいた場合は「家なき子」と見なさないようにしました。
更に、現在は名義が違ったとしても、過去に自分が住んでいた家に住んでいる場合も、同様な扱いとなりました。

それはリースバックといい、リース会社に一旦所有権を渡し、借り受けるということもあるからです。
従って、過去の登記簿謄本で、その家を過去に所有していたという事実で、今現在は他人に売って自分の名義ではなく家賃を払ったとしても適応しないという改正がありました。
経過措置がありましたが、2020年の4月1日からは全くだめになってしまいました。

法律が変わる度に、今まで特例が使えた方も使えなくなるというケースもあります。

例えば、息子さんが結婚してお嫁さんと暮らすようになりました。
いきなり親の家に入るのは嫌なので、しばらくは別のところに住みたいけれど、2世帯住宅でもないので親のアパートの1室が空いているからとそこに住むことになりました。
ここでは、その若夫婦は自分の家を持っていないわけです。

ところが、親のアパートは当然三親等以内の親族の家なので、特例は使えませんでした。
結局要件がとても厳しくなってしまい、他人のアパートに3年間住んでいること、又は親の家に同居していないと、特例は使えなくなりました。

国としても、相続税の税収がほしいということもあり、基礎控除も下げ、8割引の特例が使えないということは、税収の増加につながるのでよいかもしれません。
ところが法律の改正以前は、特例が使えた方が改正後に特例が使えないことがあるので、納税者にとっては厳しい法改正です。

特例が変わる度に誰かが教えてくれるわけではないので、蓋を開けてみたら特例が使えなかったというケースがあるのです。
本来ならば、建物の名義で判断するのではなく、自分の住んでいる土地を持っているかどうかで判断してもらいたいのですが、現在は建物の名義で判断することになっているのです。

自分の亡くなった人の住まいのことは前述した通りですが、亡くなった人の住まいを相続した奥様や同居の親族については、330㎡まで80%の減額があるというお話をしました。
老後になると、年金にプラスして家賃収入を得ていかないと生活できない方もいますので、持ち家の減額に変えてアパートを持っている場合も、面積は200㎡にはなりますが、50%減額で相続することができることになっています。

ただし、面積制限で片方を使ってしまうと片方は使えません。
しかし、自宅は330㎡なくて半分の165㎡しか特例を使っていない場合には、アパートも200㎡のうち半分の100㎡について特例を使うことができます。
両方の枠をいっぱい使うことはできませんので、面積案分で計算することになります。

例えば港区の一等地にある貸事務所の場合、賃貸している土地から特例を使用した方が有利な場合があります。
遠隔地にあるご自宅は、単価が安いケースがありますので、どちらが有利かは実際に計算してお得な方をお勧めします。