自宅の再建築中に建築主である父が死亡しました。建物の評価はどうなるの?

自宅の再建築中に建築主である父が死亡しました。建物の評価はどうなるの?

自宅の再建築中に建築主である父が死亡しました。

 この場合の建築中の建物はどのように評価すればいいのですか?

 もし、完成引渡しが1月にあり、2月に死亡した場合に、建物はどのように評価するのですか?

死亡した時点の工事の進み具合に応じて評価することになります。

 家屋の相続税評価方法は、「固定資産税評価額×1.0」です。
しかし、建築中の家屋には固定資産税評価額は付されていません。
その場合は、死亡した時点の工事の進み具合に応じて、「投下した建築費用×70%」で評価することになります。

例)死亡時の建築状況が以下の場合

○請負契約金額:8,000万円
○死亡するまでに支払った金額:4,000万円
○工事進行度合:45%程度
○工事進行度合に相当する費用現価:3,600万円(8,000万円×45%)

家屋の評価額=3,600万円×70%=2,520万円
実際に支払った金額4,000万円と費用現価3,600万円の差額400万円は被相続人に係る債権(前払金)として相続財産に含めることになります。
仮に、費用現価3,600万円に対し、実際に支払った金額が3,000万円の場合は、差額400万円は被相続人に係る債務(未払金)として相続財産から控除することになります。

 固定資産税の評価額はその年の1月1日に存する家屋につき付されます。
その為1月中に完成引渡があった家屋については固定資産税評価額が付されていません。

その場合の評価方法は

イ)付近にある状況の類似した家屋の固定資産税評価額を基として、その付近家屋との構造、経過年数、用途等の差を考慮して評価した価額により評価する。

ロ)付近に現況の類似する家屋がないときは、その家屋の再建築価額から経過年数に応ずる償却費相当額を控除した価額の70%に相当する金額によって評価する。

ただし、上記により評価した場合、後に付された固定資産税評価額の方が金額が低くなったとしても、更正の請求は認められないので注意が必要です。

とはいえ、固定資産税評価額が付されるのは、その翌年の4月以降です。
相続税の申告期限に間に合わない場合には所轄の都税事務所又は市税事務所にお願いして固定資産税評価額を確認するか、所轄の都税事務所又は県税事務所に「不動産取得税価額等証明書」を発行してもらうのも一つの方法です。
この「不動産取得税価額等証明書」に記載されている課税価額の80%相当額が固定資産税評価額となります。