財産の証拠

property_2
税務調査本番を迎えるにあたり、私はリハーサルを行います。
相続税の申告に関し、税務調査の通知を受けた場合に、どうして調査に入るのかどうかを事前に自分たちで確認した上で、相続人と一旦リハーサルという形で様々な質問やアドバイスをいたします。

その時に相続税の調査官が質問されることを予め相続人の方に質問させていただきます。
その際ご回答いただかなくてもよいですが、本番になった時にウソ偽りなく、変な隠し事なく自然にお話しいただくような形で事前にアドバイスするということになります。

まず、亡くなった人がどのような経過で資産形成をしていたのか、あるいはその配偶者である奥様自身の財産も過去にどのような経過で資産形成されたのかを聞きます。
場合によっては、先代ではなくて先々代くらいからの内容を聞きます。

資産形成という点では、例えば江戸時代に「うちの実家は庄屋さんだった」などという話になると、それなりに地元の名士であり、ある程度の不動産を持っていて資金はたくさんあるという話になるわけです。 質問事項は、その家その家で異なります。 亡くなった方がどのような形で資産形成して今に至っているのか、先代、先々代が商売をして高度成長期時代にそれなりの財産を築いて現在に至っている場合があります。
そのような過去の資産形成についてお話ししていただけるようにお願いいたします。

そうするとどういう家柄なのかというイメージが沸きます。
イメージが沸くと当然そのくらい役職の方だったらこのくらいの車をお持ちでしょうとかそれなりのゴルフバッグをお持ちでしょうとか、場合によっては外に彼女がいるケースもあるでしょうし、なんとなくその亡くなった方のイメージが推測されます。

例えば転勤族の場合はどこかの工場にいて、あるとき本社に戻ってきたとします。
そうすると長くいれば地元に預金口座を作っています。
よく住所の移転している場合に税務署が調査するのは、移転ごとに作った預金口座がそのまま残っているというケースです。

最終的に自分が実家に戻ってきて当然そこにも口座はありますが、前の住まいの近くに会社の振り込み口座とか貯蓄口座が残っている場合が多いのです。 相続税の申告書に今はつけなくてよいことになりましたけど、以前は10年くらいの移転情報を記載する欄があったりします。