相続税の税務調査の受け方_金や株式の売買

最近、税務署が力を入れて調べていることがあります。
それは、「金の売買」と「株式の売買」そして「高額資産家の申告漏れ」です。
特に金の売買については通常は馴染みのない人の方が多いかと思いますが、税務署にとっては重要な調査項目なのです。

金や株式の売買

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金の売買や株式の売買というのは、ここ最近税務署が非常に気にしています。
なぜかというと、金や株式は売却後に手元に大金が残っている可能性が高いからなのです。
もともと新規上場した会社の株は、例えば最初に5万円だったのものが1億円に化けるということがあります。

設立当初の役員さんや株主さんがそのような株式を売却した場合、数千万円~億単位の株式の売却代金になっています。
1億円の売却代金の場合、そこから20%の税金を払っても8千万円もの大金が手元に残っていることになります。

高額資産家に対しての申告漏れについては、現在税務署がやっきになって調べています。
その調査の一環として、大きな財産の売却をした際に、その財産がどのようなものであるかということを文章にしたデータをコンピュータに入力しています。

それは申告した(譲渡した)内容が間違っている、株式の計算が違っているということではなく、売った財産や入ってきた預金が何になっているのか(化けているのか)ということを明らかにするためです。

不動産を買いなおしたのか、それとも預金のままなのか、或いは投資信託や国債になっているのか等々、資産の行方を事前に記録しておき、その本人が亡くなったときの相続税の調査に役に立てるということを税務署は本気で行っています。

従って税務署は、被相続人の略歴と過去の不動産や株式、高額資産の売却状況、また、海外に赴任して海外に財産を持っていないかということに非常に注意を払います。
特に、現在海外に財産を移転している人などは、分からずに申告漏れしてしまうことがあるかもしれませんし、中には意図的にそうする人もいないとも限りません。
そのような人に対し、税務署側は神経質に調査をしています。

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金融不安があると必ず金は高騰します。
リーマンショックや円が非常に安くなってしまった場合などは、金がかなり高騰するため、まさかのときのために金を購入している人が一定数存在します。
株よりも金の方が安定しているだろうという意識もあります。

昔から金の購入というのは脱税の温床にもなっており、買った金を庭に埋めたり、仏像に化けたり等、相続財産から故意的に漏らすという人もいました。
しかし現在は金を購入したり売却したりした場合、一定金額以上は全て金を売買した所(例えば●●金属など)から全て税務署に資料が出ることになっています。
従って、売買を漏らすと必ず税務署からお尋ねが来ます。

同じように、昔はFX2という為替証拠金取引も脱税の温床になっていました。
10億儲かっても申告漏れというケースもありました。
これはFXをやっている会社から税務署に資料が出なかったことが原因でした。
しかし現在は、FXも取引をする際は全て資料が出るため、申告漏れをしたらすぐに税務署側に分かるようになっています。

どこで取引しても税務署のコンピュータに入力されれば、全国どこでも、住所を移転しても、全てオンラインで分かるようになっています。
税務署も、資料の証拠をきちんとコンピュータで管理することで、脱税の温床にならないように努力しているというわけです。
税務署の努力も評価したいところです。